不倫の事を、私や夫の親族、友人などに知られたとしたら、励ましやら慰めやらお叱りやら、色々と言われるのは目に見えています。正直周りから何か言われるのも疲れてしまうし、何より恥ずかしいので、当事者以外には誰にも知られたくありません。
夫の不倫相手と示談交渉を行っていて不倫の事実を口外してほしくないとのことですが、不倫の示談書には不倫の被害者と加害者の双方に守秘義務を定めることができます。
後々トラブルに発展することを避けるためにも、不倫の示談書を作成する際には守秘義務を定めましょう。
ただし、守秘義務を定める際には、守秘義務の範囲に気を配らなければなりません。
守秘義務の範囲をわかりやすく記載することによって、トラブルを回避できる可能性は高まります。
たとえば、不倫の事実だけではなく、示談を行ったこと自体も口外してはならないという内容にするのか、示談を行ったことだけは口外しても良いのかで示談書の内容は異なるでしょう。
あなたが示談のことすら口外されたくないのであれば、示談書に記載する守秘義務の範囲は広めに取っておく方が安全です。
しかし、必ずしも相手が広い範囲での守秘義務を盛り込んだ示談に応じてくれるとは限らないので、冷静に話し合うことが必要となります。
示談というのは、民法第695条に定められている和解のことを意味します。民法第695条には、「和解は、当事者が互いに譲歩をしてその間に存する争いをやめることを約することによって、その効力を生ずる」と規定があるのです。
つまり、示談を成立させるためにはお互いに譲歩することが必要となります。
ですので、守秘義務の範囲についてはお互いに納得できるように話し合ってください。
もしも示談の相手方と上手く話し合いがまとまらなければ、弁護士などの専門家に間に入ってもらうことも検討するのが良いでしょう。
ちなみに、今回ご質問されているように、不倫の事実を夫の不倫相手に口外されたくない場合、夫の不倫相手以外の第三者からも口外してほしくないケースがほとんどだと考えられます。
たとえば、示談に至るまでに、当事者が第三者に不倫について相談していたかもしれません。
そのような場合には、今後は相談相手に対してもであっても、不倫に関する一切の情報を口外しないように定めるしかないと言えます。
とはいえ、示談は不倫相手とあなたで行うものです。
ですので、第三者が不倫の事実を知っている場合には、相談した人間(この場合は配偶者の不倫相手)から、その相談相手に口外しないようにお願いする、といった程度の対応しか行うことはできません。
以上、配偶者である夫の不倫相手と示談交渉を行っている際の、守秘義務について解説しました。
守秘義務を盛り込んだ示談書にすることは可能ですが、守秘義務の範囲にはお気をつけください。
もしもまだわからないことや不安なことがあるようでしたら、適切な専門機関にご相談することをおすすめします。