一度不倫した妻が同じ相手と、示談書の約束を破って不倫した場合、違約金を請求できますか?

2年前に妻の不倫が発覚し、その際に「今後二度と相手と会わない」「再び不倫したした場合は違約金100万円を支払う」という旨の示談書を作っていたのですが、最近また同じ相手との不倫が発覚。示談書まで作ったのに不倫を繰り返すなんて、許せません。


示談書というのは、いうなれば契約書と同じようなものです。示談書に書かれている内容に違反された場合は、違約金を請求することができます。ただし、設定した違約金の額が妥当かどうか、弁護士に確認してもらってからのほうが安心です。

一度不倫した妻が同じ相手と示談書の約束を破って再び不倫していたとのことですが、示談書に約束を破った際の違約金について明記されている場合には、その通りに違約金を請求することができます。


ですので、まずは示談書の内容を確認するところから始めましょう。


ただし、もしも示談書に約束を破った際の違約金を定めていたとしても、設定した違約金の額が高すぎるなどというように不適切な場合には請求できないかもしれません。


違約金の額が高すぎる場合には、公序良俗に反する内容だとされて無効になる可能性があるのです。


公序良俗については、民法第90条に定められています。
民法第90条は、「公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする」という内容です。


(この条文は、2020年4月に施行される改正民法において、「公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為は、無効とする。」と変更されます。)


たとえば、違約金の額の相場が200万円のケースで、1億円を請求しているような場合には、お互いの同意があったとしても無効になるでしょう。


違約金の額は高ければ高いほど相手へプレッシャーを与えて再発を抑止できますが、無効になる可能性を考えた上で設定することが大切です。


しかし、示談書に定めていた違約金の金額が公序良俗に反するとされた場合でも、全額が無効になって一切の違約金がもらえないというわけではありません。

違約金の額を妥当な金額に引き下げれば、請求をすることができます。


妥当な金額については、さまざまな事情が考慮されるので一概には言えません。
違約金を求めたいのであれば、専門家相談して対応してもらうことをおすすめします。


また、示談書の中で違約金について定めていなかった場合でも、債務不履行に対する損害賠償として請求することが可能です。


債務不履行による損害賠償請求については、民法第415条に定められています。


民法第415条は、「債務者がその債務の本旨に従った履行をしないときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。


債務者の責めに帰すべき事由によって履行をすることができなくなったときも、同様とする」という内容です。

つまり、約束を守られなかった場合には、損害賠償を求めることができる可能性があります。


損害賠償の範囲については、民法第416条に定められており、民法第416条1項は、「債務の不履行に対する損害賠償の請求は、これによって通常生ずべき損害の賠償をさせることをその目的とする」という内容です。


不倫についての損害賠償の範囲は争いになりやすいポイントですので、早めに弁護士などの専門家にご相談ください。


以上、一度不倫した妻が同じ相手と示談書の約束を破って不倫していたケースについて解説しました。
まだ不安な点や疑問が残る場合には、適切な専門機関にご相談することをおすすめします。


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