事件や事故においては、「前科」「前歴」「逮捕歴」という3つの言葉が頻出します。
前科、前歴、逮捕歴はよく似ていますが、意味や使われ方、影響などの点で異なっている言葉なのです。
前科とは
前科は法律用語ではないため、法的な定義づけはなされていません。
一般的に「有罪判決により刑が言い渡された経歴がある」という意味で使われています。
前科の有罪判決は、死刑や懲役、禁固、略式起訴、罰金などです。
不起訴処分になった場合は、前科はつきません。
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前科は記録に残るのか
前科は、自治体の犯罪人名簿や地方検察庁に記録されます。
記録は誰でも自由に閲覧できるわけではなく、一定の正当な理由がある場合のみ閲覧や照会が可能です。
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前科による影響
前科があると、国家資格や選挙権などにおいて制限を受けます。
渡航について制限を受ける可能性も。
さらに、就職や転職においても不利に働く可能性が考えられます。
前科がある場合は「前科なしより再犯の可能性が高い」という理由から、有罪判決の量刑でも不利に働く可能性があるのです。
前歴とは
前歴は前科より広い意味で使います。
前歴の意味は「犯罪の捜査を受けた経歴」です。
前科は刑が言い渡された経歴ですが、
前歴は「捜査を受けた経歴」なので、有罪判決を言い渡されていない場合にも使います。
何らかの
事件の被疑者として捜査の対象になった場合や逮捕された場合は前歴が残るのです。
不起訴処分の場合も前歴になります。
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前歴は記録に残るのか
警察や検察などのデータベースには、前歴が記録されます。
前歴の記録は厳しく管理されているため、企業や個人が「確認したい」などの事情から閲覧、照会することは、まずできません。
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前歴による影響
前歴の記録が犯罪捜査に利用されることもあるため、その点において影響を受ける可能性があります。
就職や転職などで前歴が知られた場合に不利益をこうむる可能性もゼロではありません。
逮捕歴とは
逮捕歴とは「逮捕された経歴」のことです。
最終的に
不起訴処分になっても逮捕されたという事実があるため、逮捕歴がつきます。
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逮捕歴は記録に残るのか
逮捕歴は捜査機関などに記録として残ります。
記録は厳重に管理されるため、一般人が閲覧や照会を行うことは基本的にできません。
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逮捕歴による影響
逮捕の事実はニュースや新聞などで報じられることがあるため、報道の影響で就職や転職に影響が出たり、失職に繋がったりする可能性があります。
ネットに逮捕歴の情報が残ることもあり、生活面での影響もゼロではありません。