窃盗事件の捜査の一環として指紋を採取されました。犯人は逮捕されたので私の無実は証明されましたが、採取された指紋のデータがどうなるの気になります。
警察に指紋を採取されたときの指紋データの保管についてですが、被疑者として採取された指紋は警察のデータベースに保存されるようになっています。
まず、刑事訴訟法第218条1項には、「検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、裁判官の発する令状により、差押え、記録命令付差押え、捜索又は検証をすることができる。
この場合において、身体の検査は、身体検査令状によらなければならない」ことが定められています。
そして、刑事訴訟法第218条3項では、「身体の拘束を受けている被疑者の指紋若しくは足型を採取し、身長若しくは体重を測定し、又は写真を撮影するには、被疑者を裸にしない限り、前項の令状によることを要しない」とあります。
この条文が根拠となり、逮捕された被疑者の指紋採取は令状がない場合でも認められています。
今回あなたは警察に指紋を採取されたとのことですが、被疑者として指紋を採取されたのか、被害者として指紋を採取されたのかで、破棄されるタイミングが異なります。
被疑者として指紋を採取されたなら、指掌紋取扱規則によって、「その指紋の持ち主が死亡したとき」や、「その他該当の指紋データを保管する必要がなくなったとき」のような場合にはデータの破棄が義務付けられています。
被疑者としてではなく被害者または捜査協力者として採取された指紋が破棄されるのは、警察にとって不要だと判断された段階です。
被疑者の指紋データを破棄するのは、基本的にその被疑者の死亡時です。
そのため被疑者以外の場合よりも被疑者の方が保存期間が長くなることが多いですが、これは余罪捜査の対象にもなるためだとされています。
これらのことからわかるように、警察に採取された指紋の保存期間は、具体的な日数で決まっているわけではありません。
指掌紋取扱規則は、第1条で、「被疑者の指紋及び掌紋を組織的に収集し、管理し、及び運用するために必要な事項を定め、もって犯罪捜査に資することを目的とする」とされています。
つまり、犯罪捜査に関係がなくなった指紋までずっと保存されるというわけではないので、覚えておくと良いでしょう。
逮捕の鍵が指紋であるというケースは珍しくないので、警察も指紋を重要なものとして取り扱っています。とはいえ、不要となった指紋まですべてをデータベースに入れ続けてるということはないのです。
以上、警察に指紋を採取されたときの扱いや、破棄される条件について解説しました。もしも警察に採取された指紋について疑問や不安なことがあるようでしたら、早めに適切な専門機関に相談することをおすすめします。