浮気の証拠を手に入れましたが、この証拠には時効があるのでしょうか?

妻の浮気を怪しんで興信所に調査を依頼したところ、浮気の証拠となる写真、行動報告書が手に入りました。
裁判になったとき、このような証拠には時効があるのでしょうか?

浮気の証拠そのものに、法的な時効は設定されていません。ただし、それを使った慰謝料請求には時効があります。

浮気の証拠に「何時まで使わなければいけない」という時効はありません。
探偵に浮気調査の調査報告書をまとめてもらった場合にも、その調査報告書に「何時まで使ってください」という期限が付されることもありません。

「証拠に時効はない」が答えです。

ただし、慰謝料請求には時効があります。
慰謝料請求の時効内で証拠を使わなければ、せっかく集めた浮気の証拠が水の泡になる可能性があるのです。

浮気の慰謝料請求の時効は2つ

浮気の慰謝料請求には「消滅時効」と「除斥期間」の2つがあります。

消滅時効

浮気の慰謝料請求の消滅時効は、配偶者の浮気・浮気相手を知ってから3年になります。
浮気相手の顔を知っていても、相手の住所や氏名まで特定できていない場合は「知っている」に含まれません。よって、基本的に時効のカウントダウンはスタートしません。

除斥期間

もう1つの時効である除斥期間は、20年になります。
どのような性質の慰謝料を請求するかによって、起算点が異なるのが特徴です。
浮気から生じる精神的苦痛の慰謝料請求の場合は、浮気の事実を知ったときから計算がスタートします。
浮気により夫婦が離婚することになり、離婚による精神的な苦痛を味わったことによる慰謝料請求は、夫婦が離婚したときが計算のスタート地点です。

慰謝料請求の時効完成を防ぐ方法はあるのか

すぐに慰謝料請求できなかった場合、時効完成間際になって慰謝料請求する可能性もあります。
時効が完成しそうなときに慰謝料請求する場合、時効完成を防ぐ方法はあるのでしょうか。

時効完成を防ぐ方法は2つあります。

すぐに裁判をする

裁判を起こすことによって、消滅時効の完成を防ぐことができます。
証拠がそろっており、弁護士にすぐ対応してもらえる場合は、すぐに慰謝料請求の裁判を起こすことも方法の1つです。

内容証明郵便を使う

内容証明郵便により「浮気の慰謝料を請求します」と催告することにより、消滅時効の完成を防ぐことができます。
内容証明郵便の場合は、時効が停止するに留まるため、6カ月以内に裁判を起こすなどのリアクションが必要です。
あくまで一時的に時効完成を防ぐ方法になります。

内容証明郵便を使った時効進行を止める方法は、すぐに裁判を起こせない状況でよく使われている方法です。
時効の進行が止まっている間に裁判の準備を進めるという流れになります。

除斥期間をストップすることはできない

消滅時効については、2つの方法で完成を防ぐことが可能です。
ただし、除斥期間については、ストップすることはできません。

時効の起算は、専門知識を要します。
慰謝料請求をする場合は、時効の起算も含めて弁護士へ相談して進めた方が安心です。


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