日課の散歩に出かけた夫がそのまま帰ってこず、行方がわからないままもうすぐ1ヶ月になります。そろそろ年金が振り込まれる時期なのですが、夫の分もそのまま受給しておいて問題ないのでしょうか?
年金受給中の家族が急に行方不明になった場合、現在受給している年金をそのままもらい続けることはできるのでしょうか。
結論から申し上げると、年金受給中の人が行方不明になった場合は、年金の支給が止まります。
年金受給者が行方不明になった場合の年金支給と手続きについて、もう少し詳しく説明します。
年金受給者が行方不明になった場合は手続きが必要です。
年金受給者が1ヶ月以上行方不明だった場合は、家族(世帯員)が「年金受給権者所在不明」の届出を年金事務所に対して行うことになります。
届出後、年金受給者本人に対して現状申告書が送付されます。
現状申告書に対して返信がない場合は年金が一時停止されるという流れです。
年金受給者の生存と所在がわかったら、年金停止の解除手続きが必要になります。
解除手続きが行われれば、年金支給の再開です。
なお、行方不明の届出をした後に年金受給者の死亡が判明した場合や年金受給者の失踪宣告がなされたときは、年金支給が終了します。
このときの年金支給停止についても、所在不明の場合と同様に家族の手続きが必要です。
年金受給者が死亡した後に受け取っていた年金は返還する必要があります。
死亡したことを届け出ずに年金を受け取り続けると、不正受給になってしまいます。
年金受給者が行方不明のまま年月が経過した場合や亡くなっていた場合、利用できる制度をピックアップしておきます。
これらの制度利用が可能か自分で確認することが難しい場合は、弁護士などに相談するといいでしょう。
年金受給者の死亡がわかったときに確認したいポイントです。
死亡時の未支給年金(本人が受け取っていない年金)については、手続きを行うことで遺族が受け取ることができます。
受け取る権利のある人は、配偶者や子供、父母などです。
確認して未支給分があれば、受け取りの手続きをしておきましょう。
年金受給者が生死不明のまま年月が経過した場合は、失踪宣告の申し立てをすることが可能です。
失踪宣告をすることにより、生死不明の年金受給者を死亡したものとみなして、相続などの手続きを進めることができます。
失踪宣告は「普通失踪」と「危難失踪」の2種類です。
普通失踪は、生死が7年不明なときに使う失踪宣告になります。
危難失踪は、震災や船の沈没などの危難が原因の失踪で、その危難が去ってから1年間生死不明の場合に使うことのできる失踪宣告です。
行方不明の年金受給者の年金が家計を支えていた場合、失踪宣告を使って相続手続きを進めるとともに財産関係を整理することも、その後の家族の生活を保持するひとつの方法になります。