内縁関係であることを証明するには、どのような証拠が必要ですか?

私はパートナーの男性と内縁関係なのですが、先日彼が浮気していたことを知りました。正式に結婚していなくても内縁関係ならば慰謝料請求できると聞いたので、内縁関係を証明して浮気相手に慰謝料を請求したいと考えているのですが、何が必要か教えてください。

内縁関係の定義として重要なのが、双方に婚姻の意思があることと、ふたりが生計を共にしていることです。それらの状況を証明するために、なるべく多くの証拠を揃える必要があります。具体的な証拠の例をご紹介します。

婚姻届を提出した夫婦を法律婚といいます。

対して、婚姻届の提出を行わない夫婦が事実婚(内縁)です。
法律婚の夫婦は戸籍を見れば分かります。


しかし、事実婚の夫婦は婚姻届を提出していないため、法律婚の夫婦と同じ証明方法を使うことができないのです。
では、内縁関係(事実婚)の証明方法は存在しないのかと言うと、そうではありません。


内縁関係は下記に挙げるような証拠によって証明可能です。


内縁関係が認められるための2つの条件

男女が同居している。


この事実だけで、即座に内縁関係が成立するわけではありません。
内縁関係が認められるためには、2つの条件を満たしていることが必要です。


条件①男女双方に婚姻の意思があること

内縁関係が認められるための条件のひとつが「婚姻意思」です。

夫婦のように暮らしている男女の間に「この人と結婚して良い」「パートナーである」という認識が必要になります。


婚姻届の提出はしていないが、夫婦であるという意識が必要だということです。


婚姻届さえ提出すれば即座に法律婚の関係になれる状態と説明すれば分かりやすいかもしれません。


法律婚の夫婦と同じように「夫婦だ」「この人はパートナーだ」「結婚して良い」と双方思っている。

しかし、婚姻届の提出を事情や心情から行っていない。
このような男女こそが内縁関係です。

条件②同居し生計をともにしていること

条件のふたつ目が「同居し生計をともにしていること」です。


法律婚の夫婦と同様に同居し、妻と夫として家計をともにしている。家族として生活している。
傍目から見ると、法律婚の夫婦と変わらなく見えます。


内縁関係であることを証明する証拠とは

内縁関係を証明する証拠は以下のようなものです。


  1. 事実婚証明書(内縁関係証明書)
  2. 続柄の欄に「妻(未届)」または「夫(未届)」と記載されている住民票
  3. 内縁の妻(夫)が被扶養者になっている健康保険証
  4. 続柄の欄に「妻(未届)」や「夫(未届)」、「婚約者」などの記載がある契約書(住宅関係や保険など)
  5. 結婚式や披露宴の証明書
  6. 生計をともにしている事がわかるもの(家計簿や領収書など)
  7. 給与明細書(例 内縁の夫が妻を扶養している場合は扶養者の人数が記載されることが多い)
  8. 遺族給付を受けた証拠など
  9. メールやLINEなどのSNSのやり取り
  10. 周囲の証言など
  11. 子供の認知の約束をまとめた書面など
  12. 録音した会話

以上が主な証拠です。

内縁関係の証拠は多くある方が望ましいと考えられます。
ある証拠では条件①を証明できても、条件②は証明できないといった可能性があるからです。
証拠になるかどうか分からない場合は、弁護士にチェックしてもらうことをおすすめします。


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