家族によって、盗聴器が仕掛けられていたことがわかりました。犯罪にならないのでしょうか?

私の浮気を疑った妻が、自宅の私の自室に盗聴器を仕掛けていたことがわかりました。
浮気の事実はなく、疑われたことそのものも腹立たしいのですが、わざわざ盗聴をするために機械を購入し、不在中に部屋へ侵入して仕掛ける、といった妻の行動には非常に驚いています。
身内とは言え、盗聴行為は犯罪にならないのでしょうか。


盗聴器の購入、設置を取り締まる法律はありません。しかし盗聴器の仕掛け方及びその後の行動によっては、罪に問われる可能性があります。

今回のご質問の場合、仕掛けられていた場所がご自宅の中ということで、盗聴器の設置行為そのものは犯罪行為に当たりません。
また、盗聴器の購入についても、現在取り締まる法律は存在しません。
しかし、盗聴器の設置方法や、その後の情報の取扱によって、罪に問われる可能性はあります。

設置の方法で罪に問われる可能性があるもの

電話回線に盗聴器を仕掛けた場合

有線電気通信法第9条に「有線電気通信の秘密は、侵してはならない。」と定められている通り、有線電気通信、すなわち電話回線に盗聴器を仕掛けることは法律で禁止されています。これに違反した場合、二年以下の懲役、又は五十万円以下の罰金に処されることになります。
もしあなたの自室に固定電話があり、そこに盗聴器が仕掛けられていた場合は、この例にあたるでしょう。

盗聴器を仕掛けるために、質問者の持ち物に何らかの損害を与えた場合

例えば盗聴器を仕掛けるために、室内にあった置物などに穴を空け、そこに盗聴器を仕込んだとします。
この場合、意図してあなたの持ち物を傷害させていますから、器物損壊罪(刑法261条)にあたります。
ただし、器物損壊罪は物品を意図して損壊、傷害させなければ成立しません。
そのため、盗聴器を仕掛けるときに偶然引っ掛けて壊してしまった、という場合は罪には問われないこととなります。

その後の行動で罪に問われる可能性があるもの

取得した音声を使って質問者をおどす

盗聴で知った内容をもとに、あなたを脅す行動を取った場合は、その脅しの内容にもよりますが、脅迫罪(刑法第222条)、強要罪(刑法第223条)、恐喝罪(刑法第249条)などにあたる可能性があります。

盗聴で手に入れた内容を第三者に広める

電波法第59条に、「何人も法律に別段の定めがある場合を除くほか、特定の相手方に対して行われる無線通信を傍受してその存在若しくは内容を漏らし、又はこれを窃用してはならない。」と定められており、これに違反した場合1年以下の懲役、又は五十万円以下の罰金に処されることになります。

このように、たとえお身内相手であれ、罪に問われる可能性はゼロではありません。
どのように盗聴が行われたのか、ご質問から測りかねるところがありますので、もし訴え出ることをお望みであるのならば、適切な機関にご相談下さい。


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