1年前に夫の不倫を理由に離婚し、慰謝料も請求しました。
その場でまとまった金額を用意できなかったので、慰謝料は分割で支払う約束でしたが、夫が自己破産してしまい、残りの慰謝料が未払いのままです。
泣き寝入りするしかないのでしょうか?
不貞行為が原因で離婚に至った夫婦の場合、夫婦の片方が不貞行為をしたもう片方の配偶者に対して慰謝料請求をすることが可能です。
ただ、慰謝料請求をしても、最終的に慰謝料とは「お金の問題」であり「支払いの問題」になります。
元配偶者が困窮して支払いが難しい状況に陥ってしまったら、約束した慰謝料は取れなくなってしまうのでしょうか。
離婚時に不貞行為の慰謝料請求をしても、不貞行為をした元配偶者(元夫)が自己破産してしまったら、不貞行為の慰謝料はどうなるのでしょう。
元夫が自己破産した場合は、不貞行為の慰謝料は免責される可能性が高いと言えます。
よって、請求できない(支払いを受けられない)可能性が高いという結論です。
ただし、慰謝料の支払いがいかなる場合も免責されるわけではありません。
免責されないケースもあれば、後々に再度慰謝料請求が認められるケースもあります。
離婚の際に離婚相手(配偶者)が有責である場合は、その責に応じて慰謝料を請求することが可能です。
有責とは「離婚の原因や責任がある」ということ。
離婚の原因や責任のある側の配偶者で、よく慰謝料請求や離婚問題においては「有責配偶者」などと呼ばれたりします。
簡単な例を挙げると、不倫によって離婚に至った場合は不倫をした配偶者のことで、モラルハラスメントやDVによって離婚した場合は、モラハラやDVをした側の配偶者を指します。
婚姻している夫婦間のルール違反を犯し、片方の配偶者を傷つけたからこそ、離婚に際して慰謝料請求が可能だというわけです。
ただ、慰謝料も「お金」。
自己破産との関係が問題になります。
自己破産とは「債務で苦しいので、債務を免責してください」という手続きです。
自己破産では、免責される債務と免責されない債務があります。
慰謝料に関係する支払いの中で免責されないものは次の通りです。
この中に、不貞行為による慰謝料請求はありません。
よって、自己破産によって免責されてしまう可能性が高いということです。
不貞行為の慰謝料請求が自己破産によって一切できないというわけではありません。あくまで免責される可能性が高いという話です。また、慰謝料請求をしたいと思うなら、方法を講じることによって、慰謝料請求ができる可能性があります。
以上のような慰謝料請求の方法が考えられます。
自己破産した夫からの慰謝料請求を検討している場合は、離婚問題や債務問題に強い弁護士に相談し、適切なフォローを受けることをおすすめします。