夫の浮気調査をお願いしたくてある探偵事務所に相談に行ったら、その場で契約が決まったのですが何も書類を渡されませんでした。
念の為担当の方に「これで契約は完了ですか?」と確認したら「はい、これで大丈夫ですよ。」と言われたのですが、やっぱり不安です。
探偵の業務やルールについてまとめた探偵業法(探偵業の業務の適正化に関する法律)には、契約書についても定められています。
探偵業者が依頼者と契約を交わす際は、口約束だけでは足りません。
探偵業者が依頼人と契約を結ぶときは、書面を交付することが探偵業法により義務付けられているのです。
交付が義務付けられる書面を交付しなかった場合は、罰金などのペナルティがあります。
探偵業者が依頼者と契約を結ぶときは、3種類の書面を依頼者と交わす必要があります。
探偵業者と依頼者が交わす書面は、「誓約書」「重要事項説明書」「契約書」の3つです。
探偵業者は依頼人と誓約書を取り交わさなければいけません。
この誓約書は、探偵業者の調査結果を犯罪行為や違法な差別的取扱い、その他の違法な行為のために使わない旨を誓約してもらうための書面になります。
違法な行為とは、ストーカーや盗聴、盗撮、DV被害者の所在を特定することなどです。
探偵業者は依頼人に対して重要事項説明書を交付し、重要事項について説明しなければいけません。
重要事項説明書には、「探偵業者の商号や名称または氏名及び住所ならびに法人にあっては代表者の氏名」や「提供することができる探偵業務の内容」「対価その他費用に関すること」など、必要な事項を記載する必要があります。
探偵業者は依頼人と契約したときは、遅滞なく契約書を交付する義務があります。
契約書には、探偵業法で定められた事項が記載されていることが必要です。
契約書には必ず記載しなければいけない事項が8つあります。
記載が必要な事項とは、探偵業法8条2項に定められている次のような事項です。
- 探偵業者の商号や名称または氏名及び住所ならびに法人の場合は代表者の氏名
- 探偵業務を行う契約の締結を担当した者の氏名および契約の年月日
- 定めがある場合は契約解除について
- 調査の期間・内容・方法について
- 調査結果報告の期間・方法について
- 探偵業務の委託がある場合は委託内容について
- 調査の対価その他依頼人が支払う金額・支払時期・支払方法について
- 探偵業務において作成や取得した資料の処分についての定めがある場合は、その定めの内容について
以上の事項が、契約書に必要な記載事項になります。
書面の交付がない探偵業者との契約はトラブルやリスクの観点から避けた方が無難です。
また、契約書などの書類の交付を受けたときは、必要事項の抜けがないかチェックしましょう。