税務訴訟を起こすまでの流れを教えて下さい。

相続税で過少申告処分を受けたのですが、それに対して不服があります。税務訴訟を起こそうと考えているのですが、どのような流れで訴訟を提起すればよいのでしょうか?


税務訴訟には、訴訟提起前に「不服申立手続」をとるというルールがあります。税務訴訟に至るまでの流れについて解説します。

税務訴訟とは、税金の徴収や申告への指導、処分などに対しての不服を解決するための訴訟です。
税を徴収される側が課税側に対して提起する訴訟になります。
税金の処分といった「税金問題」を解決するための訴訟なので、「税務訴訟」という名前で呼び分けられているのです。

税務訴訟は、提起する前に「不服申立手続」を行う必要があるというルール(不服申立前置主義)があるのです。
不服申立手続で解決できなかった場合は税務訴訟に進みます。
不服申立手続で解決できればよし。
解決できなければ、訴訟というかたちではっきり白黒をつけるという流れになるのです。
税務調査などの結果に納得がいかないからといって、いきなり税務訴訟ができるわけではないという点に注意が必要になります。

不服申立には「再調査請求」と「審査請求」の2種類がある

税務訴訟の前段階である不服申立手続には、「再調査請求」と「審査請求」の2種類があります。

再調査請求とは

再調査請求とは、不服のある処分を下した税務署(税務署長)などに対して「もう1度調査し、判断をお願いします」というかたちで、見直し(再調査)を求める不服申立手続です。

再調査請求は処分の通知があってから3カ月以内に手続きを行います。
再調査請求によって不服が解消されれば、その時点で手続きは終了です。
不服が解消されずに審査請求をする場合は、1カ月以内に手続きをする必要があります。

再調査請求の結果が出るまでは、3カ月ほどの期間が目安です。
ただし、案件の複雑さや手続き上のミス、混雑状況で結果が出るまでの期間が変わってくる可能性があります。
再調査請求は税務署(税務署長)に対して行うため、自分の不服の主張が認められた場合は迅速な対応が望めるところが利点です。

審査請求とは

審査請求は、国税不服審判所が管轄します。
再調査請求を行わなかった場合は3カ月が手続き期間になり、再調査請求を行った場合は1カ月が期間です。
審査請求は、税金の徴収や申告の不服を解決するための専門機関になります。
専門機関が審査をするという点で、再調査請求と異なっているのです。

審査請求は、答が出るまで1年ほど必要だと言われます。
再調査請求より時間がかかる可能性が高いことや、再調査請求よりも結論に対する対処が遅くなる傾向にあることがデメリットです。

不服申立手続で解決しない場合は税務訴訟を提起できる

不服申立手続で解決できなかった場合は、税務訴訟の提起が可能です。
不服申立や税務訴訟は法的な知識と税金の知識を要する専門的な分野になります。
期間の起算や事情に合わせた手続きの選び方も含め、税務訴訟に対応している弁護士などに相談し、ミスなく進めましょう。


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